気象の変化に地球温暖化を感じる

 ジャカルタ郊外の、”雨の街”と呼ばれるボゴール市に住んで30年近く経った。乾期、雨期共に雨が多い地域である。雨が多いので、家屋の傷みも早く、住居の木造部分はたちまち腐ってしまうので、ペンキ塗りや雨漏り防止等の補修が欠かせない。

 30年前の気候を思い出してみる。乾期には時折スコールがあり、10分~20分間雷雨があった。時間20ミリ前後の雨だが、少し雨宿りをしていると止み、日差しが戻ってくる。従って、殆どの人が、傘や雨合羽を持っていなかった。折り畳み傘を使う私には、奇異の目が向けられたものだ。ちょっと雨宿りすれば止むのに、何で高価な傘を買うのだろうと思われていたらしい。雨期には、乾期より若干長い時間雨が降るが、何時間も続くことはなかった。乾期に比べると降雨の回数が少し多い程度で、曇り空の日が多かったように記憶している。

 気象の変化を感じるのは、近年、乾期、雨期を問わず豪雨がある。以前は乾期には水不足になっていたが、最近はそのような事はない。乾期なのに、降雨による洪水がインドネシア国内の各地で発生している。雨の降り方も変わってきた。時間50ミリ以上の雨が数時間続くこともある。雨期には、シトシトと一日中降り続くこともある。

 ボゴール周辺で降雨があると、下流域にあるジャカルタ市内で洪水が発生する。洪水の頻度が増加しているにもかかわらず、行政は下水道の整備や温暖化対策をやろうとしない。毎年、毎年、洪水の被害を受ける低地にすむ住民は可哀想である。