ジャカルタが世界最悪の大気汚染都市になった。

 コロナの終息宣言をしたインドネシア。しかし、ジャカルタではマスクをしている人が多い。以前から、バイクに乗る殆どの人がマスクをしていたが、最近ではそれ以外の人達の多くもマスクを付けている。明らかにスモッグ対策と思われる。

 以前から、大気汚染が気になっていた。ジャカルタ市内の建造物を見ると一目瞭然、色の薄いコンクリート面や外壁の塗装面は、数ヶ月で煤けて黒ずんでしまう。顕著なのは、2年近く開業が延び延びになっているLRTの駅舎である。塗装鋼板の様なもので外装されているが、既に開業前の現在、煤けて黒ずんでいる。

 政府が環境対策を怠ったツケが回ってきているのだ。10年以上前に当時のジャカルタ州知事が、州令で排ガス規制を実施して年1回の排ガス検査を義務付けたが、州知事が代わると、いつの間にかなし崩しになってしまった。車検制度の無いインドネシアでは、車両税を支払い、ナンバー・プレートを購入すれば、どんな車両も公道を走る事が出来る。改造車であってもだ。従って、日本では廃車になるようなバスやトラックが黒煙を撒き散らし、改造バイクも黒煙を撒き散らしている。新しい車両が増えて来たが、メンテナンスもせず、壊れるまで乗り回す国民性なので、大気汚染は一向に改善されない。

 現ジャカルタ州知事が、排ガス抑制の対策として、毎週水曜日は公務員の自家用車やバイクでの通勤を禁止し、在宅勤務を推奨している。在宅勤務が始まれば、コロナ流行時のように、公務員のサボタージュが始まり、公務が滞る事は目に見えている。何しろ、世界一怠惰な国でもあるから。根本的な対策を考えようとはせず、雨期になれば解消されると、気休めや場当たり対応しか考えられないようで、呆れてしまう。

 政治家が、任期中の自分の功績を残す事ばかり考え、国・国民のための政策を実行しなかったツケが回ってきている。首都移転、高速鉄道、LRTより、今すぐやるべき事が山積していると思うのだが・・・・・ 30年前に、東南アジアでトップだったインドネシア。今は、ほぼ最下位。恥ずかしいと思うのは私だけだろうか?