コロナ感染対策が解らない

 最初に大規模社会制限が発令された時は、明解であった規制内容が、社会制限の緩和、再強化を繰り返すうちに、良く解らないものになってしまった。また、政府が対策を地方自治体の首長に移譲し、首長は自治会長に移譲する事態になって、益々、対策の内容の不鮮明さに拍車をかけている。

 車の乗車人員規制は既定乗車人員の50%以下から通常に戻り、車両ナンバーの奇数・偶数による都心部への規制は一時的に中止されているが、私が居住するボゴール市では週末の金曜日~日曜日に奇数・偶数ナンバー規制により、市内全域での通航制限がされている。居住する地区の県・市・州から居住する地区外への移動には、PCR検査等の陰性証明書の所持が義務付けられているが、当初設置された検問所も無く取締りはされていない。

 会社の社員の出社率は、全従業員の25%以下から50%以下に緩和されているが、大企業を除く殆どの企業は出社率100%になっているようだ。朝晩の高速道路の渋滞がコロナ以前の状態に戻っている事、通勤電車の大混雑振りがそれを裏付けている。従業員にとっては、コロナ禍で倒産や解雇が増加する中、必死で会社にしがみついているのだと思う。

 モールやレストラン等の入場時のコロナ対策も、以前に比べるとかなりラフになっている。当初から、手洗い・消毒、検温、マスク着用を義務付けて、セキュリティーに管理させているのは、外資系のモールやレストランが多い。その他の店舗では、入り口に消毒液が置いてあるだけで検温もやらないところもある。3密を避けるための着席人員の規制や離隔距離の確保、テーブル・椅子の消毒なども全くいい加減になってしまっている。

 ジャカルタやボゴールの街を見ているとマスクを着用していない人が多くなった。着用率は50%~70%程度に見える。規制の緩和・強化の繰り返しや地方自治体毎の規制内容の違いで、市民は今規制されている内容が解らなくなっているのではなかろうか。そして、ワクチンの接種が始まったので、もう安心と以前ほど注意を払わなくなったようだ。国民全員に接種するのは3年掛かると言われている。マスクを外せるのは、3年後だ。それまで、無事に過ごしたい。