日本食レストランの味のばらつきが気になる

 インドネシアで、初めて回転ずしの”すし亭”1号店が、ジャカルタ中心部のプラザ・インドネシア内にオープンして以来、財布に優しく、手軽に食べることが出来るので、度々利用している。インドネシア人の好みに合わせた巻物の創作すしなどもあり、妻や子供達(インドネシア人)も満足している。

 最近では、ジャカルタ市内や近郊などのモールには、必ず店舗がある。最近、自宅近くのイオン・モール内に開店した”すし亭”に行った。回転すしはなく、普通のレストランと同じように、メニューを見て注文する。

 握り寿司のセット・メニューを注文したが、食べてがっかりだった。ネタが異常に薄い、シャリの酢が強すぎ、ねちゃねちゃのシャリを型で押し固めている、気の抜けたワサビ、開店当時の1号店の美味しさは無い。ジャカルタに進出した当初は、日本人の職人がいて指導・監督をしていたが、今はどこにもいないようだ。私の住むボゴール近辺に、3店舗があるが、いずれもジャカルタ市内の店舗よりまずい。多少価格が高くても、もう少し美味しい鮨を食べたい。

 

 同じように急拡大している飲食店チェーンに、”丸亀うどん”がある。”すし亭”と同様に、大型のモールには必ず出店しているので、よく利用する。うどんは、各店舗ごとに店頭で粉を練って作っている。しかし、うどんのコシの加減、スープの濃さ、味加減がどの店でも変わらず、当たり外れがない。料理方法がマニュアル化し易い事もあるのだろうが、私は経営者の姿勢と管理の対応に違いがあると思っている。”すし亭”はシンガポール、”丸亀うどん”は日本の企業である。

 

 日本食レストランには、大きく分けて三つのタイプがある。一つは、日本人の板前がオーナーシェフの店(日本同様の味が楽しめるが高い。)。二つ目は、日本の飲食店のチェーン店(日本人シェフはいないが、リーズナブルな価格。)。三つめは、当地の日本人や芸能人などが経営する店(インドネシア人のシェフのみで、味は期待できないが安い。)。

 私は、二つ目のタイプの店の中で、自分の口に合う店を探求しているが、安くて旨い店を探すのは中々難しい。同じチェーン店であっても味が異なり、同じ店であってもシェフが変われば味が異なる。レストラン成功の秘訣は、味を一定に維持できるか否かだと思うが、日本人とインドネシア人の味覚や経営思想の違いがあって、対応出来ないのかもしれない。ただただ、自分の味覚に合った店を探すしかないのだろう。