美味しい食パンを探し続けて30年

 私の朝食は、食パン一切れとコーヒー一杯だ。もう50年以上も続けているので、食パンとコーヒーには拘りがある。食パンはちょっと厚めの6枚切り、ふっくら、しっとり、きめの細かいものでないと満足しない。

 インドネシアの現地メーカーの食パンは、生地が荒く、パサパサしていて旨くないので、よっぽど困ったとき以外は食べない。最近では、日本の大手メーカーが現地のメーカーと提携して、以前に比べるとかなり品質の良いものを販売しているが、それでも日本で売っている食パンに比べると旨くない。トースターで焼くと、カサカサになってシットリ感が無くなってしまうのだ。

 日本を含む海外の有名なパン屋が進出しているが、菓子パンに注力していて食パンが美味しい店が殆ど無いのが残念だ。新しい店がオープンする度に、必ず試食してみるが、いつも期待を裏切られている。

 そんな中で、気に入って20年来食べ続けている、美味しい食パンを売る店が一軒だけある。日本食スーパー内にある”KOMUGI”というパン屋だ。開店当初、日本人の職人が原料に拘って作っているのだと聞いた。確かに、小麦粉の匂い、味が違う。値段はちょっと高めだが、5枚切り、6枚切りなど、日本人の好みに合わせた品揃えが有りがたい。

 ジャカルタ市内に数店しかないので、居住するボゴールから用事があってジャカルタに出かけるときには必ず買って帰るようにしている。”KOMUGI”の食パンが手に入らない時には、”HOLLAND BAKERY”の食パンで代用している。そこそこのシットリ感がある。この店は、店舗が多く入手が楽である。

 海外生活で、日本と同等な食品を要求し、食パンに拘り続けているのは我儘で贅沢だろうか。