真剣にコロナ対策を

 インドネシアで最も感染拡大が著しいジャカルタは、他の都市より早く大規模制限を実施した。その後、制限を緩和したが感染者数が大きく増加した為に、再度規制を始めた。再度規制を始めた時点で、ジョコウィ大統領が首長の対策が不十分だと、ジャカルタ州知事を叱責し、再規制に異論を唱えたらしい。大統領の圧力屈せず、再規制を強行したことを評価していたのだが・・・。数週間で規制緩和に逆戻りしてしまった。感染者数は増え続けているのに。

 中央政府が感染者対策を地方自治体に丸投げしている為、都市毎に規制されている内容が違い、都市をまたいで仕事や生活をしている者にとっては、はなはだ不便でストレスが溜まる。

1.フィジカル・ディスタンシング

 オフィスやレストランなどでの人と人との距離を1~2メートル取る事となっているが、レストランの対応はまちまちで隣席と1メートル未満の所もある。一方で、比較的広いスペースの大手レストランでは、きちんと2メートル確保している。役所は、対応しているというアピールだけで、真剣に対応をチェックしていない様だ。感染者が発生したら、3日間の休業と店舗の消毒を義務付けているので、後はレストラン任せの様子だ。

2.マスクとフェイス・シールドの着用

 レストランなどの従業員はマスクとフェイス・シールド、手袋の着用を義務付けているが、徹底されていない。マスク又はフェイス・シールドのみで、大声で喋っている従業員が多い。マスクなどの効用や飛沫感染のメカニズムなどは、全く無頓着であり、着用しているので問題ないだろうとの認識のようだ。

私が、息抜きに時々訪れるタイ・カフェは、従業員がマスク、フェイス・シールド、手袋を完全に着用し、私語も無く手短な会話で注文を取る。メニューは客が触る事が出来ず、従業員が手に持って頁を捲りながら注文を取るのだ。基本的には、スマートフォンでメニューを読み取り注文する。従業員は事ある毎に、手を消毒しているので、安心だ。

3.検温

 モールやスーパーなどへ入場する場合、検温や手洗い、消毒を強制される。しかし、街中でマスクをしていない者が、モールなどに入場するためにだけマスクを着けているのを見かける。検温は、症状の出ていない感染者にはスルーされてしまうのだから、外出時は常にマスクを着用して欲しいものだ。最近よく見かけるのは、マスクをずらして顎にかけている人達だ。

4.自分のためか他人のためか

 予防策は、自分の為だけではない。他人の為でもある。自分の為だけと思っている人の多いインドネシアでは、感染拡大は止まらないのではないだろうか。