KTP(IDカード)

 インドネシアには、身分を証明するKTP (KARTU TANDA PENDUDUK)というものが有り、年齢が17歳になると各個人に発行され、携帯が義務付けされる。日本で言う、戸籍謄本、戸籍抄本と住民票が一体になったようなもので、氏名、生年月日、出生地、性別、血液型、住所、宗教、既婚/未婚、職業、国籍が記載されている。これには、外国人用があり、KITAP(定住許可)所持者に発行されているようだが、KITAS(暫定居住許可)所持者にも義務付けられているのかどうかは不明である。日本の様に住民票や戸籍抄本(謄本)の様なものが無いので、銀行の口座開設、保険の契約、事務所ビルの出入り等の際に必要であり、この1枚で手軽に身分証明が可能なので重宝なものである。

 私は、KITAP所持者であり、KTPも所持している。年初に5年間有効のKITAPが切れて、更新をした。最近、法律が改正されて、無期限のKITAPが発行可能と聞き、手数料が2倍(1600万ルピア)であるが、早速申請する事にした。5年有効と無期限の2種類を選べるのだが、申請者にとって余り損得の意義があるとは思えない規定であると思う。

 無期限のKITAPは、E-KITAPと呼ばれ、日本の運転免許証のようなカードである。KITAPは、KITASの様に現住所が記載されていない為に、KTPの代用にはならないので、KTPを申請する事にした。KITASには現住所が記載されており、法律で職場変更や住所変更時には、KITASを再発行してもらう必要があるが。KITAPは住所が記載されていないので、何処に住んでも良いらしい。

 という理由で、3月末に市役所にKTPを申請した。おりしも、コロナウィルスの感染の影響で、役所は在宅勤務、サボタージュの傾向もあってなかなか発行されない。知人の外国人課の警察官に頼んで問合せをしたが、役所は閉鎖中との事。いろいろと情報を集めてみると、コロナ対策は政府主導から自治体へ対応が移管されたため、自治体独自に対応策を実行しており、役所の多くは在宅業務となって、許認可の申請は受付を中止しているらしい。私は、在宅勤務を理由に役人がサボタージュしていると思っている。社会制限が解除された6月になっても、役所の仕事は止まったままであった。7月になり、国民の不満が聞こえたのか、大統領が閣僚会合で、各省庁の怠慢ぶりを叱責した。その途端、役所の業務が再開され、8月初旬に私のKTPが届いた。

 イミグレーション事務所の業務も再開され、外個人に対する許認可業務も始まっているが、恐らく申請者が殺到して大混乱していると思われる。費用(?)の高騰に頭を悩まされる人も多いのではないだろうか。