不確実性

インドネシアに暮らし始めて30年以上が経過した。以前に比べると、ハードやソフトの面で、先進国並みの対応が見えるようになった。しかし、日本と比べると色々な面で発生する”不確実性”(確実ではない)がストレスの一つになっている。

①クレジット・カードの請求書

 毎月末の請求書が、翌月の第1週に宅配便で送られて来るのだが、突如として郵送が途絶えてしまう。送付時期に年末・年始やレバラン休暇が絡むと、必ず途絶えてしまう。カード会社の職務怠慢か、宅配便の職務怠慢か定かではない。奇妙に思うのは、数か月すると従来通り復活するのである。また、100万ルピア以上の使用時、新規の店舗での使用時には確認のSMSが入っていたが、このサービスもいつの間にか途絶えてしまった。

 請求額は、ネットや携帯電話で確認できるが、年寄りの私には面倒この上ないのである。請求書代を払っているのだから、決めた事は確実に実行せよと言いたい。

②銀行やカード会社のコールセンター

 どの会社もコールセンターを常備し、大々的にサービス拡充を宣伝しているが、内容は全くお粗末なもので、その機能を果たしていない。以前、食品スーパーでの買い物が2重で請求された事があり、コールセンターに連絡した。調査して連絡するという事であったが、数週間たっても連絡が無い為に、こちらから電話すると担当者に電話をまわされた。クレームは伝わって無く、一部始終を説明する羽目に。再び担当者は調査するので1週間まてとの事。連絡が無い為に、再び電話すると今度は、”請求額に間違いは無い”との返答であった。1ルピアまで同額を2日続けて買い物する訳はないだろうと言う私の主張にも耳を貸さない。間違いないを繰り返すのみである。買い物時にサインしたレシートを見せろと言ったら、本社まで来て書類で申請しろと言う。結局、数か月間のやり取りの末、泣き寝入りとなった。

 カードの盗難・紛失の際にブロックする事には対応出来るが、顧客のクレームには対応出来ていないコールセンターである。

③銀行口座

 新聞の投書欄で時々目にするが、本人の憶えの無いお金が勝手に引き出されたり、送金されたりする事件が発生している。国内大手の銀行である。投書によると、銀行にクレームすると、間違いのない処理がされているとの返答だった様である。事件を調査する以前に、クレームそのものを拒否するような対応の様であった。投稿者は数か月間、担当者をたらいまわしにされた様子。

 かなり前の話だが、日本人が大手銀行の貸金庫に現金や貴重品を預けていた。1年後に金庫を開けると現金が減っていたとの事。銀行にクレームすると、管理は万全でそのような筈は無い、知らないとの一点張りで、泣き寝入りしたらしい。

 不確実性の原因は、責任感の欠如、義務感の欠如、職務怠慢と言った人間性・国民性に他ならないと思う。だから、私はネット・ショップを決して利用しない。楽天がインドネシアで展開したネット販売ビジネスを、数か月で撤退した事から得た教訓である。