在イ日本大使館でのワクチン接種

 デルタ株による爆発的な感染拡大で、医療崩壊が始まったインドネシア。日系企業の多くが日本への帰国避難を進めているが、航空便の予約が取れずに帰国できない者が多いと聞いている。清水建設が自社の職員・家族を帰国させるために、自前で全日空の特別便を飛ばした。大企業だけに、許認可で政治的なコネを使ったという事は、誰にでも解る。在留日本人の中から、どうして政府が対応しないのかと批判が出ると、慌てて全日空と日本航空の特別便が運航されると決まった。ただ、この2便は日本政府の救援機ではない。航空会社へ増便を要請しただけである。

 特別機の利用条件を見ると、会社や団体に属する者となっていて、私の様な個人で在住している者は利用できない。勿論、航空券・隔離費用・国内交通費などは自己負担である。日本への入国制限などもあって、1便に搭乗できるのは50名以下とか。在住者2万人の内、何人が帰国を希望するのかは不明であるが、一体何便飛ばすつもりなのか? 全く焼け石に水の対応である。

 多くの在住日本人から、日本からワクチンを持ち込み、大使館・領事館で接種して欲しいとの要望が出ているが、加藤官房長官は会見で、「当該国の医療免許の必要性を挙げ、医官や日本人医師がワクチン接種する事は不可能」と言った。馬鹿な事を言うなと腹が立つ。非常時である、インドネシア政府と、日本人医師の指導(コンサルティング)の元でインドネシア人医師が接種する事を交渉すべきではないか。

 安心・安全なオリンピックを優先し、日本人の命を軽んじている事に憤りを感じる。