海外で見る大相撲

 大相撲が始まると、他に興味を引く番組がないので、NHKワールドプレミアムの中継を見てしまう。民放の衛星放送がもう一局見られるが、私の年代に合った番組が少ないことや、再放送ばかりなので、NHKを見る事が多い。

 名古屋場所の横綱白鵬の相撲を見ていて、嫌な気分になってしまった。           14日目の正代との取り組みでは、しょっきりの様に土俵際で仕切りをし、張り手ばかりでまるで喧嘩をしている様だった。千秋楽の照の富士戦でも、肘鉄(かちあげ)と張り手でまたまた喧嘩だ。案の定、解説者や横綱審議会から横綱らしからぬ相撲だと、苦言が多く聞かれた。

 白鵬は以前から、所作・振る舞いに品が無く、勝てばよいという言動が目立つ。最高位の横綱だから何をやっても良い、俺が一番なのだと思っているようだ。親方も稼ぎ頭に対して、何も言えないのだろうか。

 マスコミは国技だからどうとか、色々な避難、中傷を書き立てているが、白鵬は日本人ではない。長い間、日本で生活し国技の相撲をやっているとしても、日本人の気質やしきたり等を理解出来る訳はないと思う。何故ならば、私も30年以上インドネシアで生活しているが、未だにインドネシア人の気質を理解出来ないでいる。分かっているつもりで、何か言動をしても、恥をかくことが度々ある。精神は日本人であるが故に、100%インドネシアに溶け込むことは出来ないのだ。

 白鵬も同様だと思う。ただ日本で生活しているのでは無く、国技に携わっているのだから、もっともっと大変であり、気をつけていてもモンゴル人の本性が出てしまうのだろう。国技としての品、しきたりを重んじる精神など理解出来る訳はない。恐らく彼は、勝負事は勝ってなんぼという考えであろう。職業なのだから。

 白鵬の所作については、親方の指導も不十分かもしれないが、元々、国技という相撲界に外国人の参加を認めた相撲協会にも責任があると思う。勝敗より、内容を重視するような日本独特の国技で、外国人にも同様の所作を期待すること自体が間違っていたのではないだろうか。

 もっとルールを厳しくして、禁じ手を追加したり、現役引退後に安易に親方職を与える事の無いようにするなど、相撲協会の対応に期待したい。