ラマダン(断食月)あれこれ

今年のラマダンは、4月13日から5月12日まで、5月13日と14日がレバラン(断食明け大祭)となっている。あと5日間だ。

ちなみに私は、イスラム教徒であるが、断食をしていない。昨年は1か月間、行った。今年は、コロナウィルスの影響もあって、会社の存続が危ぶまれる事態になり、あれこれ対策を考えなければならず、思考力・体力が低下する断食を避けた。断食をしている妻を気遣い、何故かコソコソと昼食をとる。タバコを吸うのも、水を飲むのもコソコソとしてしまう。

断食の目的は色々言われているが、そもそもは自分自身の鍛錬の為だと思うので、他人が食事をしようが、飲み物を飲もうが、他人事でなければならないと私は考えている。しかし、妻を始めとする多くの人は、”断食をしない人がいる”ので自分がやりにくい、出来ないと言う。信仰心は自分自身の考え、意志によるものなので、他人の行動に影響されるなら、止めれば良いのではないかと私は思っている。

断食をしなくて良い特例がある。病気の者、旅行中の者、生理中の女性など。但し、ラマダン中に断食出来なかった日数分は、後日行わなければならないとされている。また、断食を行わない者は、喜捨によって代替できるとされている。これらの良い所取りをして、なんやかんやと言い訳の挙句、断食を全くしない者もいるようだ。

以前(30年前)に比べて、断食をする人が減っているような気がする。以前は、レストランやカフェの殆どが日中は閉店し、断食が終わる夕方頃から営業していたが、最近は日中も平常営業している。お客も沢山入っている。明らかに若年層が多い。やはり、欧米などの外国から入って来る情報・知識などに影響され、イスラム教徒の意識が減退しているのかも知れない。敬虔なイスラム教徒は嘆いている事だろう。

今年はコロナ禍による失業や収入減により、十分な栄養補給も出来なくて、病気になる者も多いのではなかろうか。二重苦の毎日である。