運転マナーと渋滞

世界で最も渋滞の激しい都市のジャカルタに住んで30年余り、車の増加にインフラ整備が追い付かず、年々渋滞は激しさを増すばかりである。2か月前にMRTが開通したが、渋滞解消には程遠い状況である。経済が急速に発展し、インフラ整備が間に合わないとはいえ、運転マナーが改善すれば渋滞はもっと改善されると思っている。

インドネシアで、日本の様な自動車教習所を見たことがない。街中に自動車教習の看板を上げた業者があって、路上教習を受けている人を時たま見かけるが、これが免許取得前の教習なのか、免許を取得したが運転に自信が無いので教習を受けているのか、定かでない。多分、免許取得後の教習と思われる。

なぜなら、インドネシアでは結構簡単に運転免許証を取得出来るのである。30年以上も前の話であるが、私は、持っていた日本の免許証を提示して、警察署で簡単にインドネシアの免許証を取得した。学科試験も何もなく、警察署へ出向きもせずに、知り合いの警察官に頼んだだけであった。最近は、少し厳しくなったようであるが、運転免許証は購入できる時代であった。

従って、交通法規も知らない、運転マナーも考えないドライバーが殆どで、自分さえ良ければという走りをする。踏切や信号待ちをする際、特にバイクは少しでも前へ出ようと、車の前に出て道路全面を塞ぐ形で止まっている。信号が変わり、車が前進しようとしても、対向するバイク同士が行き違い出来ずにトロトロしているので、車が出ようとする時には信号が変わってしまう有様で、なかなか交差点を通過する事が出来ない。さらに、左側から割り込みする車両があって、混雑に拍車をかける。

少なくとも、バイクが左側に一列又は二列になって待っていれば、信号が変わった際にスムーズに流れて渋滞が緩和されると思うのだが、30年見ていて全く変わらない状況である。免許不所持と高速道の路側帯走行違反の、違反取締りしかしない警察の対応もマナーが改善されない起因となっているのかも知れない。

私は、交通法規とマナーを厳守すれば、現在の渋滞は20%以上改善されると思っている。