スマートフォン依存症

兎に角、話好きなインドネシア人にとって、スマートフォンは恰好の会話の媒体として普及した。自己顕示欲が強く、他人より自分の裕福さを誇示して、他人より優位に立ったと自己満足する傾向が強い国民気質もあって、インスタグラムやチャット等の投稿サイトは賑わっている。

我が女房殿も同様に、ベッドに入っても暗闇の中で夜中まで、朝目が覚めたらすぐにスマートフォンを操作している。充電する時間が無い位だ。一番気になるのは、友人が旅先の観光地やレストランで投稿するインスタグラムのようで、自分の言ったことない観光地やレストランが掲載されると、どうにも負けたくない気持ちが沸いて来て悔しいようだ。

従って、女房殿との日々の外出先や旅行先は、“有名でありながら友人たちが行った事のない場所”、“他人よりカメラアングルの良い写真・ビデオの取れる場所”という事になる。訪問地の景色をじっくり眺めたり、空気を感じる事はなく、写真ばかりを撮っているので、ろくに訪問地の名前も憶えておらず、家に帰ってから“これ何処だっけ?”と質問攻めにあう始末で、煩わしい事この上ない。

行く先々での投稿で、我々の行動は他人に筒抜け状態、女房殿の友人宅に短期間に2回も空き巣が入ったが、恐らく行動が外部に知られていたからだろうと思う。先月一時帰国した際、東京もスマートフォン依存症の人達ばかりでぞっとした次第である。