時間の無駄

インドネシアには、Jam Karet(ゴム時間)と言う言葉がある。意味は、時間がゴムの様に伸びたり縮んだりするという事で、時間のルーズさを表す言葉である。

訪問客から10時のアポが入ったが、待てど暮らせど来ない、時間はすでに11時になろうとしている。約束に遅れる事を電話してくる人はまずいない。そして、11時を回った頃になって、笑いながら訪れて“道路が込んでいてね”と言い訳をする。こちらに次の予定が入っていたりしたら、イライラ、ヤキモキして待っているのだが。

日本人社会では、面談をお願いしていながら約束の時間に遅れる事は、大変無礼な事であり、信用を落としかねない行動である。しかし、面談相手がビジネス上で上位の人であってもお構いなしの状態である。この国で、“時は金なり”と言う言葉は通用しない。こちらが訪問する場合も同様で、約束に時間に訪問しても相手が外出中であったり、他の来客と面談中で、何分も何時間も待たされる事がある。特に役人の高職者とのアポは直前にキャンセルされる事も多い。待たされた挙句、面談しても時間が無いと言う理由で、満足な話も出来ず、また会おうという事が繰り返される。

このような時間の無駄使い、ルーズさが日常生活の至る所に影響し、インドネシアでは物事の進行に非常に時間が掛かると言われる所以である。