ラマダン(断食月)の光景

ラマダンも残すところ10日余りとなり、身体も断食にすっかり慣れて、断食明けのお菓子や食事の美味しさや有り難さを感じている。断食について気の付いた事を書いてみたい。

インドネシア人を見ていると、断食はかなり苦痛の様だが、朝・昼・夕の食事時間を決めている日本人にとっては、意外にすんなりと断食を行うことが出来るのである。断食開始日は、平常時の昼飯抜きの感じで、身体も頭も蓄積された栄養で過ごせる。2日目から4日目に掛けては少し辛く、午後1時を過ぎると脳の働きが悪くなり、考える事が億劫になってくるが、この2~3日間で食事のサイクルを朝4時と夕6時に変えることが出来るので、その後は殆ど辛さを感じることなく過ごせる。とはいえ、夕方4時以降は余り頭を使わない仕事をする事にしている。

食事の時間が一定でなく、腹が減ったら食べるという習慣のインドネシア人にとっては、12時間以上も飲食を我慢する事は苦行であることに違いない。大人より子供たちの方が一途に断食をしているようにも見える。大人たちの中には、断食の免除される理由を基に、回避している者も少なくないようだ。

断食月の良さも多々ある。平常時には早朝・深夜と構わずバイクの走る音で騒がしい街が、早朝の断食開始前3時頃から6時頃まで、夕方の断食終了後の6時頃から8時頃までは、物音一つせずシーンと静まり返るのだ。