新型コロナ肺炎の流行と予防

情報を隠蔽し、感染者数ゼロと言い続けていたインドネシアだが、3月7日に感染者が出たとの発表後、日を追って感染者数が増加しており、ここ数日は百人単位で増加している。3月28日現在で、感染者数1,155人、死亡者数102人。検査基準や体制が他国とは異なっている為、隠れ感染者数は数万人に上っているとも言われている。特に気になるのは、死亡率が10%程度と世界一の高さであることだ。

インドネシアの医療の質を考えると、もっともな数字だが、一方で感染し重症化すると、回復の見込みが少ないと言う事になり、恐怖感が増すばかりである。治療薬が無く、対症療法しか無いと聞くが、この国の医者の質や医療器具を考えると、日本やその他先進国に比べて対症療法の質も劣る事は間違いないだろう。

神頼みの国の予防策、対応策は、後手後手に回り、感染者数は益々増加する懸念がある。流行当初、楽観的な発言を繰り返して来た閣僚や地方の首長たちが、次々に感染して初めて予防・対応に取り組んでいる。政府の明確な方針や指示が無い為に、地方都市では独断で緊急事態宣言を発令したり、都市封鎖を実施し始めた。

予知・予見・予防と言った概念の無い国民性ゆえ、マスク着用や手洗いの励行などの重要性は全くと言っていいほど浸透していない。ジャカルタ市内では殆どの人がマスクを着用しているが、50km離れた私の住むボゴール市では10%以下の着用率である。唯一優れた対応は、連日街中を消毒車が走っていること、外出を規制された地域では、警察が常時巡回して外出者に帰宅要請をしている事だ。

マスクと消毒用アルコール以外の食料品や日用品は、近くのスーパーで手に入るので、とにかく大人しく自宅待機を続けようと思っている。