新型コロナウィルス対応の違い(インドネシアx日本)

インドネシアと日本は、まるで競い合うように感染者数・死者数が日に日に増加している。どちらの国も、まだピークに達していない様に思われる。インドネシアでは、4月17日現在、感染確認者数5,923名、死者数520名となっている。

死亡率が世界一高いと言われているが、確認された感染者数と比較しての数値であるから、発症せず検査も受けていない隠れ感染者数の多少によって、この数値は大きく変わって来る筈である。世界で一般的に言われている死亡率2%前後であるとすれば、インドネシアの隠れ感染者数は、20,000名になる。

インドネシアでも日本でも、日々行われているPCR検査などは限られた人数なので、全住民を対象に検査すれば、莫大な感染者が発見されるだろう。何らかの症状が出てからを検査を実施するという対応の怖さがある。感染しても、発症しない人、軽症の人が、数日の間に容態が悪化し、死亡する怖さがある。医療機器の不足、対症療法敷かないという怖さがある。

各国の対応や専門家の発言から、他人との接触を避け感染を拡大させない事が一番有効な対応・予防方法である事が理解できる。此の対応を如何に徹底させることが出来るか否かで、新型コロナウイルスを終息させる時期が決まるであろう。

インドネシアの都市部では、大規模社会制限が発令され、11業種以外の会社の休業、列車の運行時間の短縮と乗車人員の制限、マスクの着用義務、5人以上の会合・集会の禁止、乗用車の定員の50%乗車などが実施されている。クラブ、カラオケ、遊技場、公園なども早い時期から閉鎖されている。大規模社会制限は、大統領令・健康大臣令等に基づいて発出されており、違反者には1億ルピアの罰金又は1年未満の禁固刑が科せられる。警察や軍隊などが取締りを行っており、主要道路には検問所も設置されている。

日本では、自粛要請という対応で、休業する会社や店舗、従業員などの補償問題がネックとなり中々対応が進まないが、インドネシアでは補償などは無く、命令に従わない者は、営業許可証をはく奪されたり拘束される。筋道を立てて説明し、協力を仰ぐのではなく、力で政府の方針に従わせるのである。ハッキリ言うと、潰れる会社や店舗の事など知った事ではないという事になる。

しかし、一方では、貧困層への対策として、電気代の無償化、食料品の配給などが実施されている。また、相互扶助謳うこの国では、災害時にはいち早く民間企業、町内会、富裕層などが募金活動や食料支援などを行い、貧困層を助けている。支援額は日本では想像できない多額なものである。

民主主義に徹して自粛要請する日本、民主主義をうたいながらも大統領が独裁的な権限で命令を出すインドネシア、新型コロナウィルスの対応で先に成果を上げるのはインドネシアであろうと期待している。