ジョグジャカルタ新国際空港

仕事でジョグジャカルタへ行ってきた。

利用客の増加で、市内にある旧空港の能力が限界になったらしく、2年位前に新空港が出来た。旧空港は空軍との共用で、誘導路を移動中に空軍の施設や軍用機を見る事が出来て、楽しめる空港だった。今は、民間機は全て新国際空港に移っている。

ジャカルタから飛行機で1時間15分、空港からはアクセス鉄道でジョグジャ鉄道駅まで行く行程である。新空港は、ジョグジャ市街地の南西の田園の中にポツンとあった。予定通りに空港に着き、ターミナルビルの外れにあるアクセス鉄道の駅に向かう。ジャカルタの空港に比べるとターミナルビルの規模は非常に小さいが、近代建築のしゃれたターミナルである。

ビル自体は小さいが、やたら間仕切り壁で仕切られていて、直線距離はたいした事は無いにも拘らず、左折、右折を繰り返して出口まで10分以上かかってしまった。動く歩道も無く、何かビル内を行きつ戻りつしながら、ぐるぐる回っていたような気がした。利用客の利便性を全く考えていない動線である。その長い道のりの両側には、間口3メートルほどのみやげ物を売るプレハブ式の店舗が並んでいた。どの店も、地元の住民の経営らしく見えた。入居する全てのテナントの前を通るように、わざわざ利用客を誘導した動線になっているように思えた。新空港の用地は、ジョグジャの王様の所有地で、さすがの中央政府も強制執行等が出来ず、用地買収には色々問題があったらしい。

やっとの思いで空港ビルを脱出すると、そこは地上2階のオープンデッキになっていて、アクセス鉄道駅まで繋がっている。鉄道駅の配置が悪く、空港のターミナルビルと同様、両側に並んだ店舗の前をくねくねと曲がりながら歩かされた。

インドネシアの公共施設は、デザイン優先で利用客の便利性を全く考慮していないものが多いが、ジョグジャカルタの空港も典型的な例であろう。