ボゴールで懐かしい味に再会した

 ボゴールにも本格的な日本食レストランが出来始めた。今までは、日本の店名を付けた、日本食もどきの店が多かったので嬉しい。大抵は味が少々おかしくても我慢して食べているが、時に、無性に日本の本当の味が恋しくなる。ジャカルタには、日本人のシェフが居て、本物の日本食の味を楽しめる店があるが、ボゴールには今まで殆ど無かった。

 先日、外出時に度々目にしていた”京都亭”という店に行ってみた。数年前に開店していたが、店構えが貧相だったし、”もどき”の店だと思い込んでいたので入った事はなかった。インターネットの駐在員の口コミに旨いとあったので、試しに行ったのだ。内装は日本の居酒屋風、こじんまりとした店だ。昼前の早い時間に行ったので、まだ準備中であったが、インドネシア人のオーナーシェフ(Mr. アンディ)と話しながら待っていた。

 話してビックリ。なんとジャカルタのアパートに住んでいた頃に、よく通っていたレストラン”さくら”の厨房に居たと言う。”さくら”は、日本人が経営するリーズナブルで美味しい店だった。私は、もやしラーメンが気に入っていて、週に1~2回は通っていた。夜は接待でお客さんを度々連れて行った。7~8年前に私がボゴールに転居した頃、”さくら”は移転してしまったので、その後もやしラーメンを食べる事が出来なくなった。”さくら”が移転してまもなく、Mr. アンディは定年退職し、故郷のボゴールに”京都亭”を開店したらしい。ジャカルタの老舗の日本食レストランである「寿司天国」や「寿司錦」で修行し、ジャカルタのにぎり寿司コンテストで優勝した事もあるらしい。(当時の写真が店内に飾られていた。)

 久しぶりに”もやしラーメン”と”握り寿司”を食べた。嬉しかった。”さくら”で食べた味そのままだった。”さくら”に一緒に行っていた妻(インドネシア人)も、味が以前のままで変わってないと喜んでいた。変わらない日本食の味を守っているシェフには頑張ってもらいたい。週末は、ゴルフ帰りの日本人駐在員が多く来店しているらしい。