相撲力士の霧馬山の所作に心が和む

 海外での楽しみの一つは、大相撲中継の観戦である。優勝戦線に残るのは、いつも外国人力士が多く、日本人力士の活躍が余り見れない。外国人でありながら、日本の国技に挑み、それなりの地位を得ている力士はすごいと思う。

そもそも日本人と外国人では、美学が違う。国技であるゆえに、慣習や日本的な美学で、様々な苦労や経験をして這い上がって来た力士には、敬意さえ覚える。

モンゴル出身の力士が多いが、彼らの闘志をむき出しにした所作が、日本人の美学とかけ離れていて、見ていて不愉快になる事がある。もっとも、日本人力士の中にも無作法な力士もいるが。

 

 花道での入退場時のお辞儀、取組後の土俵上でのお辞儀、懸賞金を受け取る時の手刀の切り方、いい加減な、雑なお辞儀が目立つのが許せない。そのような力士が多い中で、霧馬山は外国人力士でありながら、すべてがキチッとしていて好感が持てる。顔つきも穏やかで、いつもムフッと笑いそうな微笑顔だ。決して不謹慎、不真面目な印象は与えない。以前、豊真将という勝っても負けても、礼儀正しい力士がいた。霧馬山が似ている。だから、いつも応援している。彼の相撲を見ているとすがすがしい気持ちになれるのだ。

 

 海外でいくら長く生活していても、慣習や美学の違いから、様々な場面で現地の人達と馴染めない事や、つま弾きされることがある。打ち解けることが難しいと感じる。外国人力士は、生活のみならず、国技を職業にしているのだから、大変な苦労をしている事だろう。霧馬山はすごい。頑張れ!